北朝鮮問題への対応

 現在の日本にとって目の前にある最も緊急の懸案として北朝鮮問題への対応がある。先日の日本海沖へのミサイル7発の連続発射事件や核実験の実施では、日本側の迅速な対応が実施された。

国連において緊急決議の実施に即座の対応が取られた。結果的には、仲裁の立場に居る中国、ロシアの反対もあり、国連決議として国際社会全体での実効的な制裁を加えるという決議までは至らなかったが、北朝鮮に対する国連一致での非難決議の採択は実現した。 

北朝鮮が日本に危害を与えるような行動をとった場合には、日本が迅速に対応する用意があるという明確なメッセージとなった。仮に、今回と同じような事態が起こった場合には、ロシアと中国が北朝鮮側の味方に付くのが難しくなった可能性もある。そもそも北朝鮮に対する対応の方針や温度差は、国ごとに様々ではあり、問題を複雑化させている。

しかし、NPT体制に反する核開発と、人権の明確な侵害となる拉致問題に関しては、国際社会全体として非難し続けていくように国際世論を喚起するは、日本にとって重要な課題である。