①米軍再編成への対応(2/2)


しかし、現在、その国際的な構図が少しずつ変わりつつある。BRICsの台頭に象徴されるように、わずかであるが世界は多極化する可能性を帯びて来ている。そのような混沌の中で、アメリカは軍事再編を行っている。韓国からの撤退や、重厚長大的な軍事施設等の縮小、または司令部機能の移転など様々である。

そのひとつとして、日本における在日米軍の再編も含まれる。日本は、この多極化しつつも格差が広がる国際社会の中でバランス良く生き残らなければならない。それは、必然として日本のアメリカからの自立を考える必要性を突き付けている。その視点に立って、米国の日本における軍事再編に対して、日本は自主防衛の考え方を明確に打ち出し、提案、実施する事が望まれる。

その事は、日米関係を弱める目的でもなく、日本の軍事大国化を目指すものでもない。日本の国家防衛戦略の本質である専守防衛を、日本の力で行えるようにするものでしかない。また、そうあるべきである。

さらに、もしもアメリカが国際社会から批判されるような覇権主義的な行動をとった場合に、明確にアメリカとの違いを主張し、アメリカに対して可能な限り平和国家日本として影響力を示していくための必要な前提条件でもあると思われる。

どちらにしても、日本が独立国家であると自負するならば、日本独自の防衛戦略を明確にし、日米同盟の役割との線引きを行い整理する事が必要であると思われる。