<Ⅰ.憲法(内閣府・法務省・与野党・国民全体等)>

皇室典範改正問題(女系・女帝論等)


 ・天皇家の跡継ぎ問題は、皇室が存在する限り非可避的な問題ではある。男系男子以外は、跡取りとして成りえないというのが原則論である。しかし、これまで一時的に女性天皇が在位された事は事実としてあった。しかし、最終的には男系男子へと引き継がれている。その事からも女性天皇を完全否定するのは行き過ぎだと思われるが、昨今の議論の特徴的な、雇用機会均等法等の女性の地位向上や平等主義的風潮から、女性が天皇になることも時代の流れではないかと言った議論などもあるが、これも行き過ぎな感がする。さらに、憲法に掲げられている男女平等の理念にも反していると言ったことも聞くが、憲法の趣旨にのっとった皇室典範にあるように天皇は象徴であり、特別な存在であると明確に定義されている。天皇は神様ではなかったが、一般市民とも違う存在である事は明らかなのである。天皇は男系男子に限られるという厳しすぎるほどの伝統を持つことの尊さからも、戦後GHQ の統治下での憲法制定時において、当時の日本側の高官たちは天皇家存続に腐心した歴史がある。その戦後の天皇家維持の議論や歴史的経緯を踏まえないで、現在だけの論理で議論をしてはいけないと思うのは自然である。女性と女系の違いについては、これまでも多くの書籍やテレビの特集などで解説されているが、ざっくりと言うと女性天皇とは男系男子でなく女子が即位する事である。女性天皇自体は、これまでも推古天皇から後桜町天皇まで10人程度の既存の歴史もあり、比較的この女性天皇と言うのは認めても良いのではないかと言う議論もあるように思われる。ただ、それらの論拠となるのは女性天皇は、一時的な継承であって、ほぼ最終的には男系男子に引き継がれるまでの仮の扱いと言った意味合いが強いと言うところだろう。この理屈で行くと、最終的には男系男子に戻るべきで、一時的な女性天皇は良いがその女性が宮家以外の男性と結婚し子供をお生みになられた場合の子供は、男系男子に反するため問題となる。そのように考えると男系男子の縛りが如何にきついかが改めて分かるし、宮家の充実と言う案が出てくるのも必然的な議論かもしれない。筆者の意見としては、男系男子による継承の歴史はやはり尊いものであって、尊重すべきではないかと考えている。女性、女系天皇と言うものをたまたま現代に生きる世代が認めるよりも、無理のない形で男系男子の歴史を引き継いでいける体制を確立するほうが意味があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?