<Ⅰ.憲法(内閣府・法務省・与野党・国民全体等)>

④ その他(参政権・人権等)


 ・日本国内における日本人の人権・参政権の問題としては、現在ほとんど問題は無いと言って良いのではないだろうか。日本人が日本で生きていくうえでは、余程な事が無い限り不自由は感じないと思われる。しかし、気になる点もある。それは選挙権を獲得する年齢が世界的には18歳と言うのが一般的だと言う事であるにもかかわらず、日本は20歳にならないと選挙権が与えられないと言う事である。例えば、イギリス(69年)、西ドイツ(70年)、アメリカ(71年)、フランス(74年)、イタリア(74年)などが18歳で選挙権を獲得し、現在150カ国以上が18歳の選挙権となっている。中国も18歳で選挙権の獲得である。この問題は、国柄や考え方もあると思われるが日本国民の政治に対する関心の薄さの表れなのかも知れないと思い気になる点ではある。少なくとも日本で選挙権を与えられるのは、国際的には少し遅い20歳であると言う事は自覚しておいて良いのではないかと思う。とは言え、冒頭に述べたように、多くの日本人が今の選挙制度、選挙権にさほど問題を感じていないと言うのが現状なのだろう。それは、ある意味日本が暮らしやすい国だからなのかもしれないし、解釈の仕方によっては良い事なのかもしれないとも思える。しかし、在日外国人にとってはそうではないと言うのが今回の論点である。特に、在日韓国・朝鮮人の問題は、現在も事実存在している。在日韓国・朝鮮人には現在も参政権は無い。事実、この現状に対して在日韓国・朝鮮人の方々自身も参政権の付与のために活動をされているし、韓国政府自体も参政権を与えるようにも言っている。もしかしたら、日本人の中にはこの事実を知らない人もいるかもしれない。しかし、在日韓国・朝鮮人たちは、住民税や所得税、会社を興していれば法人税などありとあらゆる税金は納めている。納税義務は日本人と同様である。確かに税金を納める事によって提供される公共インフラ、例えば、水道や電気、道路や公共施設などは通常の日本人と同じように享受しているし、そもそも現在の選挙権を取得する条件として納税義務はない事から、納税と選挙権は直接的には関係がないとも言えそうだ。さらに、在日韓国・朝鮮人たちには特別永住権も提供されている。在日外国人としては、優遇されているとも言える面はある。また、他の日本人と同様に日常生活を送るに際しては特に不自由は感じないかもしれない。日本人と比較して、特に無い権利と言うのは参政権だけかもしれない。しかし、その参政権が与えられない事はどういう意味を持つのであろうか?ほとんどの権利が与えられているから、我慢してもらうべきものなのであろうか?参政権はその国の未来に権利と責任があるという象徴である。確かに、国籍を海外に持つ外国人が何年か住んだからといって、国の将来を決する投票権を与えられないというのは、国際的に一般的でもあるし致し方ない部分はあると思われる。しかし、在日韓国・朝鮮人は純粋に海外に国籍を持つ通常の外国人なのであろうか?在日韓国・朝鮮人は第2次大戦において日本に強制連行された人々であり、その子孫も多く含まれているのである。確かに彼らは、戦後GHQの主導により帰国を奨励され、その機会を与えられたのは事実であろう。また、彼らの中にはいわゆる強制連行ではなく自分の意思で日本に渡った人も多いと聞く。つまり、現在の在日韓国・朝鮮人日本たちは、ある程度は自分たちの意思により日本に居留まったと言う部分が否めないのは事実であろう。しかし、そもそも彼らが日本に渡った理由として、日本の行った行動が影響している事は否定できない。つまり、1800年代の後半、世界的な帝国主義の流れの中でロシアによる朝鮮半島への進出に日本が脅威を感じ、1903年の御前会議で小村寿太郎外相がその脅威を当時の天皇陛下に主張し、1904年の日露戦争へと突入した。結果、辛勝した日本はアメリカの仲裁による1905年のポーツマス条約により、朝鮮半島の権利を手中に収めると言う歴史があり、1910年の韓国併合へと繋がっていく。その後の日本の韓国統治政策が影響しているのは明らかであり、その流れから現在の在日韓国・朝鮮人が存在する事は明確に認識する必要があると思う。話しを参政権に戻すと、もし、彼ら彼女らに参政権を与えると、社会が混乱するのであろうか?現在、在日世代は3世から4世へとどんどん進んでいる。在日の人たちの中には、韓国語や朝鮮語を話せない人も居るし、逆に日本で日本人以上に活躍している人も大勢居る。特に3世や4世にとっては日本での権利と責任・義務が無いというのは、筆者は不自然ではないかという気がします。もちろん帰化の手続き方法は非常に簡素化され、日本人国籍を取得したければ、すぐにでも出来ると言う事もある。しかし、日本人に帰化するには自分の血筋の系譜は全て失われ選択の余地はない。この現状は、普通に日本で日本人たちと共に過ごす在日の人々の心を傷つけていないだろうか?日本がアジアの中で、真に信頼される国家となる事を目指すのであれば、この問題に対してより一層の誠実で理解されうる対応が日本全体として必要なのだと思う。皆さんは、どう思われますか?