<Ⅱ.外交(外務省・防衛庁)>

注)9/15の日記が目次になっていますので、ご参考下さい。


⑨ 対アフリカ指針(1/2)


 ・現在のアフリカは、スーダンダルフール紛争や、エイズの蔓延、慢性的経済的困窮、経済格差の拡大な、依然として残る人種差別など問題が山積である。しかし、国際社会の目がアフリカに向けられ始めていることも事実であろう。例えばG8(G7)における議題と言えば1990年代は先進国の経済状況と通貨体制の安定が主な議題であったが、2006年イギリスでのG8ではアフリカの開発が主要議題となった。世界銀行もアフリカの開発には力を入れており、今後の世界における経済成長センターとなることを国際社会は願いつつある。また、アフリカはAU軍の創設と現地派遣などを実現させ、自分たちの力による地域紛争解決なども始まっている。今、アフリカという地域が立ち上がろうとしているのである。

しかし、一方、AU軍の派遣に際して国連軍の撤退や、国際資本の受け入れ態勢の不整備などに見られるように、現実問題としてアフリカがアジアのように国際社会の継続的な関心を得て、治安的にも安定し豊かな経済社会を確立するための明確な道のりは示されていない。では、日本はこのアフリカという地域にどのように関わっていくべきであろうか。

日本にとってアフリカという地域は地理的にも最も遠く、経済的関係もそれほど密接ではない。ビジネスでかかわる一部の人を除けば、多くの日本人にとってアフリカは日本とはあまり関係の無い地域と感じているのではないか。そういった意味からも、先日の小泉首相のアフリカ訪問は非常に意義深い事であると思われる。今後アフリカが経済発展し、国際社会の表舞台に台等してこれるどうかは分からない。しかし、そういった国や地域の立ち上げの時期から積極的な協力をして行く事が重要だと思う。

これらの考え方は、中東や中南米に対する考え方とも類似する考えである。そういう下積みがあってこそ、将来アフリカが経済的、政治的に確立した時に、お互いに信頼できる友好な地域として関係を結ぶことが出来るのではないかと思う。打算的ではあるかもしれないが、お互いにとってメリットがあることと思われる。では、具体的にアフリカに関わる方法としては、どのような手法が考えられるだろうか。