<Ⅱ.外交(外務省・防衛庁)>

注)9/15の日記が目次になっていますので、ご参考下さい。


⑩ 対国連、国際機関(1/2)


 ・日本の外交主軸のひとつとして国連重視がある。その際に、まず確認しておきたいのが、国連とはそもそも戦勝国側の連合国の理想(特にウィルソン)を追求した平和的理念に基づいて作られた国際的機関である。さらに、2次大戦時点での国家間の状況がそのまま反映されているため、国際連合の事を取り決めた国連憲章の107条(53条、77条も該当すると言う説もある)において、今も日本やドイツを敵国とした敵国条項が残っている。

 その国連に対して、日本は19.468%の分担率にて332.2百万ドル(2006年)を負担している。この金額は、アメリカの22%の423.5百万ドルに次ぐ負担率である。しかし、ご存知の通りアメリカはその分担金は滞納し続けている。実質的に日本が負担率で1位である。

 そして、戦後GHQ主導による日本統治体制のひとつの手法として、日本に軍事的問題が発生した場合は日本は独力の軍事力や自衛力に頼らずに、国連に委託して解決しようというのが国連中心主義の始まりである。その考え方が、戦後61年目を迎える今日においても、日本の外交の中心軸となるひとつに挙げられている。その間において、国連が変化の早いこの戦後の60年間において、時代に対応して改革されてきたとは言いがたい。そして、それはGHQによる日本国の非軍事化の主要項目として、アメリカの主導で導入されたのであり、日本の総意ではなかったのは事実である。
 
 さらに国連はこの60年間において、改革が進むどころか時代の流れに対応して変化してきたとも言い難い部分もある。特に常任理事国の米国とソ連の冷戦により、戦後からデタントまで国連は完全に機能不全に陥っていた。この機能不全の機関に日本の平和を預けていると言う事は、笑えない事実である。近年の国連改革の波に乗り、日本は常任理事国入りを目指したが、結局不発に終わっている。