<Ⅱ.外交(外務省・防衛庁)>

注)9/15の日記が目次になっていますので、ご参考下さい。


⑩ 対国連、国際機関(2/2)


国連主義と言うのはあくまでも外交の主軸であって、安全保障の主軸ではないと言う反論を持つ方もいらっしゃるかもしれないが、外交と安全保障は表裏一体である。国連を日本外交の主軸に考えると言う事は、日本の安全保障を国連中心に考えると言う事と同じ意味を持つと言っても過言では無い。

 繰返しになるが、国連の費用負担は日本が実質世界第1位である。しかし、常任理事国にはなれない。この事態を受けても日本は国連中心主義に日本国の平和と安全を委託するのであろうか?通常の自立した人間の感覚からは、受け入れがたい現状なのではないかと思う。しかし、政府やメディアは、こういった事実をあまり積極的には伝えない。政府は国連中心主義と主張するならば、この事実をもっと大々的に伝えるべきではないか?そして日本国の自立した自衛戦略というものを全国民が考えるきっかけを与えるべきではないのかと思う。そうでないと実は日本にとって全く空虚な日本の意志の実現性の無い機関に、日本の安全保障がゆだねられているという事実を国民たちは明確に認識できないのではないかと思う。

これは何も国連が全く意味の無い機関であるといっている訳ではない。あくまでも日本の安全保障を考える際に、日本の意志が主体的に反映されない機関に日本の安全の中心をおいている事に大きな疑問を感じると言う事である。国連主義を掲げるのであれば、今後も日本の国連での常任理事国入りを含む地位向上を粘り強く進めるべきである。(既に、継続的に交渉は続いているとの認識ではあるが、より積極的に)その際の方針としては、G4(日本、インド、ブラジル、ドイツ)との協力体制の下でやっていくのか、アメリカとの緊密な協力体制により、日本+1国の案に乗るのかを明確にする必要がる。

どちらにしても安保理常任理事国入りを目指すのは必要な事であるが、首脳の合意によりG4体制を約束した他国との納得のいく議論が展開される必要がある。日本のみの常任理事国入りを頑なに目指すのではなく、ドイツ、ブラジル、インドへの配慮を打ち出す事が今後の国際社会での日本のあり方に大きく影響を与える事となる。その結果、G4以外の他国の要請として、日本のみまたは日本+1国と言ったアメリカ案のような結論に落ち着くことがあったとしても、G4を初めとした多くの国から理解が得られるものと思う。