<Ⅲ.経済(経済産業省・金融庁・経済団体)>

注)9/15の日記が目次になっていますので、ご参考下さい。


② 中小企業振興(1/2)


 ・バブル崩壊後、失われた10年とも15年とも言われる時代を越え、現在、巨額の公的資金の投入によって不良債権処理を終えた銀行や大企業などは急激な業績回復傾向にある。不良債権処理のために使用された公的資金の原資は国民の税金であり、この費用と効果に対する検証はしっかりと行なう必要はある。ただ、金融システム全体の崩壊であるシステミリックリスクまで被害が拡大しなかった事により、経済が回復基調に戻った事自体はひとまず一定の評価がされるべきだと思う。

しかし、問題は日本の経済の根幹を支える中小企業に関しては明確な回復が見られない事である。これは、この不況期における大企業の製造業のさらなる海外移転とも無関係ではない。海外展開においても、中国一国集中の危険性からアジアではベトナムやインドなどさらに東欧などへの分散投資が進むなど、国内への投資回帰は限定的である。では、古くからの町工場をはじめとする中小企業は今後も苦しい状況が続くのであろうか?国としても中小企業振興としての、むやみな公共投資などは絶対避けなければならないし、よほど急激な円安でもない限り製造業の工場国内回帰は期待出来ない。中小企業にとって望ましい状況でない事は認めなければいけない事実である。

さらに、景気後退局面において貸し渋り貸し剥がしが金融機関により実施されており、その影響は未だに大きく尾を引いている。しかし、この点については国家としての対応が可能である。また、劇的な改革の方法としては、それぞれの中小企業において、可能な限り業種や職種の変更等抜本的な変更を促すと言う改革が必要ではないかと思われる。政府としては積極的に変化しようとする中小企業に対して、特に支援すると言う姿勢で臨むべきだと思う。一方、いくつかの製造業において生産拠点の国内回帰が見られるのは国内経済の活性化のために良い傾向である。