<Ⅲ.経済(経済産業省・金融庁・経済団体)>

注)9/15の日記が目次になっていますので、ご参考下さい。


② 中小企業振興(2/2)


経理の鉄人さんのおっしゃる事は、まさに筆者が2/2にて言及しようとしていた事です。中小企業といっても、明確に分類する必要があり、それぞれの対応を行うことが重要である。
大きく分けると、中小企業について以下の3つに分けることが出来る。


1.町工場などの製造業的な中小企業(黒字倒産型)
2.町工場などの製造業的な中小企業(競争淘汰型)
3.バイオやIT、ナノテクなどのベンチャー系企業


1.町工場などの製造業的な中小企業(黒字倒産型)
まずは、技術も信頼もあり純粋に利益を計上出来たはずの中小企業についての問題点は、金融仲介機関からの資金供給の問題である。中小企業は、大企業と違い市場での直接調達がコスト的にも信用的にも難しい面があるため、間接金融(銀行等の金融機関からの貸出し)に頼らざるを得ない事が、問題の背景である。一部、IT、バイオ等のベンチャー中小企業が市場調達が可能になっているが、それはまったく別のケースであると言って差し支えない。そして、先日も少し触れたように、間接金融の貸出主体の一部の都銀も含め、地銀、信用組合等が1990年代の不況期において、BIS資本規制に対応しバランスシート圧縮を行ったことで、必要なところに資金が供給されなくなった。この問題は、国家レベルだけでなく、地方自治体や、金融機関自身の対応など、多くの主体が積極的に対応する事で改善される可能性がある。

2.町工場などの製造業的な中小企業(競争淘汰型)
この不況の間に中国やベトナム等の東アジア諸国等との国際競争(人件費の競争)により、淘汰された中小企業は、大手製造業が海外生産をさらに推進していく流れの中では、今後も生き残ることは本質的に難しい。これらの中小企業またはそこで働いていた人々は、競争力を維持している同業他社への転職か、他業種への転職が考えられる。先日も言及した業種や職種の変更等の抜本的な変更についてである。これらは、個人レベルの問題だけでなく、少子高齢化のよって労働力の減少する日本にとって死活問題となりうる。この点についての対応は、政府と自治体が協力して大々的に推進していってもらいたい問題である。

3.バイオやIT、ナノテクなどのベンチャー系企業
これらの新産業分野での創業型の中小企業への支援等は、既に多く見られる。この分野の問題は、逆に資金流入の垣根が甘いと言う事である。極端に言えば、例えば「バイオ」「遺伝子」等のキーワードが入った社名なら、政府からの補助金等がもらいやすいと言うような問題である。1の分野とは対照的である。ここでの中小企業問題とは、別枠の問題と考えることが出来る。


結論としては、1については「資金供給源の確保」、2については「職種変換の制度面からの促進」が望まれると言うのが筆者の意見です。