<Ⅲ.経済(経済産業省・金融庁・経済団体)>

 最近、残業続きでブログ更新が進みません。。でも、このブログの冒頭で書いたように、仕事に忙殺されてはいけないと言う強い意志を持ってブログ更新を続けて行きたいと思います。

 また、今回の題目は私の専門分野なので、きりの良い段階で一度特集を組む予定です。また、前回のM&Aに関しても大学院の授業と博士ゼミ(本籍は現在まだ修士ですが)で参加しているところなので、同じ時期に特集をしたいと考えています。

 では、今日の本題です。↓


注)9/15の日記が目次になっていますので、ご参考下さい。


 ⑦ 通貨戦略(1/2)


 ・どの国にとっても、国家、政府の信用に基づいて発行し流通する通貨の管理は、非常に重要な課題である。通貨は国家の経済の象徴でもあり根幹である。この通貨の管理が脆弱であると国家は存亡の危機に陥る事もある。では、日本にとっての通貨管理、戦略はどうなっているのであろうか?言うまでも無く日本にとっての通貨は円であるが、この円はどこで流通し使用されているのであろうか?もちろん日本では通用する。しかし、ひとたび国際社会において円をそのまま決済に用いようとするとほとんどと言って良いほど通用しない。(最近では、世界の外貨準備保有の構成比率におい手の円の地位が、ポンドに抜かれ世界の3位から4位に転落している。)

 現在、国際社会での決済通貨は米国の発行する通貨ドルなのである。これには歴史があり簡単に説明すると以下のような流れになる。1900年代初頭まではパクス・ブリタニカと言う言葉に象徴されるように、英国が国際社会の主役であり国際的な決済通貨としてもポンドが認知されていた。しかし、2度の大戦を経て米国が経済的にも軍事的にも急激に力を蓄え国際社会に台頭してきた。第二次大戦後にアメリカが計画、実行したヨーロッパ復興計画であるマーシャルプランによりドルが世界に供給され、その流れの中でドルが国際通貨、基軸通貨となったのである。

 また、ポンドがそうであったようにドルも当初は、金との交換比率が国際社会において決められており、その金の量を上回る通貨供給は許されてなかったが、1971年のニクソンショックにより金とのリンクは失われたのである。結果的に、現在、国際通貨ドルは、米国の圧倒的軍事力や政治力に裏付けられている政府の信用によって成り立っているのである。また、周知のように、1999年1月にはドル1通貨単位対132.8円の交換比率にてECBの管理でEU圏の共通通貨として導入された「ユーロ」によって、ドルの一極体制からドル・ユーロ2大国際通貨体制へと移行しつつある。