R.Oさんのご意見に対して

10/29のM&Aの議論について、R.Oさんからのご意見について、改めて私の意見を追加して見ました。(下から1/3の部分)


R.O 『M&Aが必要かと問いかけられると風土の問題を置いておけばやはり必要ですかね。市場機能の命とも言われるアービトラージへとつながりますし、効率的な資金配分や、経営者への規律付けにもつながります。ノイズトレーダーの保護までは不要ですが、ご指摘の通り、弱い立場の投資家の保護は促進すべきですね。』


chewer 『>R.Oさんご意見、ありがとうございます。
>風土の問題を置いておけばやはり必要ですかね。
M&Aは必要だと言うご意見ですね。では、今後、海外企業やファンドからの三角合併が可能となる方向ですが、日本の名前の企業が海外資本(=外国人経営者⇒従業員は日本人)に買収される事は必要と言う意味も含んでしまいますよね。それは必要な事なのでしょうか?R.Oさんがおっしゃる通り、日本とアメリカは風土も違うけど、文化や、人間性など様々に違いがあり、協調してみんなで解決していくと言うのが日本の良い所なのではないでしょうか?それでも、やっぱりM&Aと言う方法論は必要なのでしょうか?日本の企業が復活するために他に良い方法は無いのでしょうか?

>ノイズトレーダーの保護までは不要ですが、ご指摘の通り、弱い立場の投資家の保護は促進すべきですね。』
ただ、現在の日本の株高は外国からの投資とネット投資を背景にした国内での個人投資の増大があると思います。そういう意味では、個人投資家はある意味ノイズトレーダーに定義されると思いますが、保護する必要は無いのでしょうか?もしも、個人投資家の保護が無ければ、個人の株式市場離れが進んで、せっかくの株高も水の泡となってしまいませんでしょうか?ちょっと対立的な意見になってしまいましたが、R.Oさんの主張には、一般的にこのような反論があると思います。もし良ければ、また、ご意見下さい。』


R.O 『こんばんは。日本の企業が復活するためにM&Aの他に良い方法は無いかという質問に対してですが、なかなか難しいですね。市場の効率性だけを机上の理論で考えればM&Aは有効だと思うのですが、文化・風土等机上の理論で解決しきれない所は実際かなり多いですからね。このあたりの折衷策を考えられるがどうかが今後、M&Aが更に普及するかのポイントでしょうね。chewer さん、なにか名案をお持ちでしたらお願いします。ノイズトレーダーの定義ですが、個人投資家を指す言葉ではありません。ファンタメンタルズ価格を理解せず、投資する投資家をさします。 (もちろん含意としてはありますが。chewer さんもご存知なのは承知してます。)保護の不要なのは例えば村上ファンドが買ったから自分も買うようなノイズトレーダーのキャピタルでの損益を想定して言っております。彼らが市場で淘汰されるのは市場の原理といえると思います。ただ、彼らが権利確定日に株式を所有していた場合は当然、権利関係で不利にならないように保護するのはいうまでもありません。』


>R.Oさん 専門家?!のご意見、もっと聞かせて下さい!
R.Oさんのご指摘に対して、自分なりの意見をさくっと書いて見ました。ご参考ください。

M&Aにおける投資効率の問題と、人生のレベルでの人の心や生活の問題との間では確かに落としどころが難しいですね。と言うか、まさに日本においてM&Aが普及するかどうかの最重要論点なのだと思います。事実、M&Aの本場のアメリカにおいても、1980年代の多くのM&Aにおいて弊害は多く指摘されています。
M&Aによりオーナーが代わり、上司も代わり、自分の配置も変化するような事があれば、通常の多くのサラリーマンなら程度の差こそあれ「自分は会社の一コマに過ぎないのではないか?」と言う疑問を更に増大させる事となりそうです。
・しかし、M&Aにおいて最も重要なのは、従業員への規律付けではなく経営者への規律付けだと考えられていると思います。経営資源の不効率な運営を行なう経営者は市場から退場してもらう事が、従業員や取引先、市場全体にも効果があると考えられていると思います。ので、M&Aが多くの従業員にとっては、直接的に悪い事ではないと言うことを認知してもらう必要があるのかもしれません。
・しかし、M&A直後のリストラ実施などを考えるとM&Aが悪い事ではないと言い切るのは難しいのは事実ですね。ポイントは、M&Aの効果を生かしつつ、その副作用を極力押さえると言う事なのかなと思います。M&Aにより職を失った勤勉な従業員たちの労働市場への回帰を政策として支えていく事が必要なのかなと言う気がします。
・結果的に、M&Aに肯定的な意見になってきました。。
・ただ、会社で経営企画の立場にいる人や、金融機関等でM&Aを担当する人なら感じていると思いますが、企業戦略としてM&Aは良い悪いに関わらず考えないわけには行かないのが現状なのだと思います。
・実務者としては、なかなかM&A反対を言い切れないのですが、研究者?の立場からは、M&Aの効果を認識しながらも弊害を指摘する視点を忘れないようにしたいと思います。
・他に、具体的な良い意見がありましたら、また、書き込み下さい。